堀江貴文氏の講演会に初めて手話通訳がつきました
皆さん初めまして!大城 一記(おおしろ かずき)と申します。
私、今回初めての記事執筆になります。
どうぞよろしくお願いいたします!
2022/04/02に広島にて実業家である堀江貴文氏(通称:ホリエモン)による講演会が開催されました。
講演テーマは「〜激動の世界情勢の中 今、広島で語る平和〜」です。
その他ゲストとして、NHK党 党首の立花孝志氏、堀江貴文秘書の齊藤健一郎氏による、ウクライナとロシア情勢についてや、各国の平和の定義についてなど…さまざまな対談が繰り広げられました。
今回なぜ記事執筆にあたったのかというと、堀江貴文氏の講演会に初めて手話通訳がつくことになったのです。
さらには、岸 あや乃が手話通訳士として登壇することとなりました!
今回初めて手話通訳がつくと聞き、
・私自身このような著名人の講演会にはあまり参加したことがない(情報保障がないため)
・こういう場で手話通訳がつくこと自体が珍しい
・今までにセミナーなどの勉強会に参加しても手話通訳などの情報保障が付いておらず、苦労したことが数多くあった
上記のような経緯から、純粋に「面白そう!」と思い兵庫から駆けつけました!
手話通訳ってなに?
まず、そもそも手話通訳についてあまり知らない方々のために、少し手話通訳についてカンタンにご説明したいと思います。
「知ってるよ!」という方は読み飛ばしていただいて結構です。
手話通訳とは、手話を用いて聴覚障がい者と聴者とのコミュニケーションの仲介・伝達などを行うことです。
それらを業とする人が手話通訳士となります。
手話通訳士になるためには、手話通訳士試験に合格し社会福祉法人聴力障害者情報文化センターに登録する必要があります。受験資格は20歳以上となり、3年程度の手話通訳経験を有することが受験の目安になっています。
また、公的資格の手話通訳士として登録されている人は3,930人(2022年4月時点)で、平均合格率は約9.6%となっています。
ちなみに、今回の講演会に手話通訳士として登壇した岸 あや乃は日本で一番最短で「手話通訳士」資格を取得した手話通訳士です。
今後、岸 あや乃さんに手話通訳に関する専門的な内容や経験談などを記事執筆いただきますのでお楽しみに!
今回の講演会に参加してみて、DEAF(ろう者)として感じたこと
結論から言うと、今回の手話通訳配備は、さまざまな課題がみえたものの、今後の社会を変えることにつながる大きな一歩になったと確信しました。
今回の講演や対談において、1名の講演者(対談者)につき1名の手話通訳士がつきました。
GOODポイント
- 手話通訳がついたことにより、DEAFにとって情報の遅れを防ぐことができる
- 手話通訳がついたことにより、DEAFにとって参加することの心理的ハードルが下がる
- 手話通訳がついたことで、リアルタイムで講師陣の話についていくことができた
- 主催者の方々に手話通訳をつけての講演に挑戦していただいたこと
- 他の聴講者も、初めて手話通訳を目の当たりにし、何か感じたことがあったはず。(これがDEAFへの理解につながる)
- 5/22に鹿児島にて開催されるホリエモンさんの講演会にて手話通訳がつくことが決定!(手話通訳付きは第二弾です)
感じた課題や改善点
- 対談(対談者2名、手話通訳士2名)など人数が多くなると、DEAFにとっては、会話ごとに対談者と手話通訳士の手話を目をキョロキョロとさせながら観ていくことになるため、負担がかかった。
- 地方による手話表現方法が違うことがあったため、その手話を理解・解釈することに負担がかかった。
- 手話通訳士をスクリーンに映し出すことで、遠くの席からでも手話が見えるようにするとなお良さそうだと感じた。
- 今回の講演内容は国家、政治、戦争に関することであり、あまり聞き慣れないような言葉を活用することが多かったため、それを情報保障として手話通訳のみで補うのは大変なのではないかと感じた。
そのため、手話通訳だけでなく、文字起こしが映し出されたモニターを設置することで、たとえDEAF側が手話通訳士の手話を理解できなかったり見逃したとしても、文字起こしされているモニターを見ることで分からなかった情報を補うことができそうだと感じた。
さまざまな課題点はありましたが、この講演会に参加してみて、DEAFの情報保障の促進における大きな一歩であることは間違いないと確信しました。
そして、今回の講演会が「DEAFが情報保障について不安を持たず、自由に参加したり挑戦がしやすくなる社会」を作るキッカケのひとつになるかもしれません。
まとめ
初執筆記事を最後まで読んでいただきありがとうございました!
ちなみに今回この記事のトップにある講演会のダイジェスト動画に私が映っています!
見つけられましたか?
ちなみにアメリカでは、政府などの公的機関とは一切関係ない一般の講演会等においても、「DEAFがいなかったとしても手話通訳、筆談などの情報保障は必ずつけなければならない」と法律で定められているそうです。
日本の場合、公的機関に手話通訳の情報保障はありますが、一般の講演会に参加するときにはDEAFが自分で手配する(自腹)必要があります。
一方、アメリカの場合は一般の講演会でもあらかじめ手配がされており、DEAFが自分で手配する必要がない、ということです。
また、その手配がなかった場合は訴訟の事由にもなり得ます。
詳しい専門的な内容はあらためて後日に、手話通訳士:岸 あや乃に執筆していただきます!
今後もさらに「手話通訳などの情報保障が当たり前の社会」になると、「DEAFと聴者が対等に話すことができる社会」となり、DEAFにとっても、聴者にとっても様々な可能性が開けることでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
筆者:大城 一記
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